内田早紀

子牛たちの命を守る
ビッグマザーになりたい

毎日4〜5頭の子牛が生まれる吉浦牧場。
全部で150頭近くいる子牛たちの面倒を見ています。

本場長の明るさと「何でも挑戦してみろ!」という言葉にひかれて

牧場の仕事に興味を持ったのは、中学生の時です。北海道の牧草地で牛を飼っているテレビ番組を見て、こんな仕事があったんだって思ったことがきっかけです。それで、職場体験で牧場を選んで乳搾りをやってみたら面白くて。高校に進んでも、職場体験でまた同じ牧場に行ったんです。それでやっぱり面白いなぁと思ったので、大学で牧場のことを学ぼうと宮崎県に。牛で有名だからという理由で選びました。卒業後は、地元の島根に帰ろうと考えていたので、就職サイトで探して見つけたのがここ吉浦牧場でした。はじめて見学に行った時は、規模の大きさや牛の数の多さにびっくり。それになんといっても、本場長の太陽のような明るさ!「何でも挑戦してみろ!最初は誰でも失敗するのは当たり前だから」って。で、吉浦牧場に決めたんです。でも、それって本当ですよ。1年目から早くも哺乳の仕事を任せてもらっていますから。やりたいと言ったことに、挑戦させてくれるところがすごいなと思います。

子牛には生きる力がある。それを信じて子牛と向き合っていきたい

哺乳の担当をはじめて3カ月たった頃のことです。肺炎で子牛を2頭死なせてしまったんですね。ミルクをやっても飲まないので、少し様子を見ようと思っていたら次の日に…。無理にでも飲ませればよかったと後悔しました。でもどうやって?悩む私に勇気をくれたのが、「もうダメかもと思っても、子牛には生きる力があるから」という獣医さんの言葉。自分の手のひらから少しずつミルクをやったり、経口補助液を飲ませたり。できることを考え、工夫を重ねながら何とかやっています。私に哺乳の仕事を教えてくれたのは10年目の先輩で、すべての子牛の状態を毎日ノートに記録していました。ワクチンや離乳の時期はもちろん、脚の太さなどの体格、それに性格まで。なぜそこまでと思っていましたが、先輩から仕事を引き継ぎ、悔しい経験をして、その大切さがやっとわかるようになりました。肺炎もそうですが、下痢も子牛たちの命取りになります。免疫が下がる時に何が起こっているのか、そのタイミングを理解できるようなって下痢を減らしていきたいですね。私は子牛たちのビッグマザーなんですから。