坂本有実

和牛市場で「買い!」と評される
吉浦ブランドを創りたい

和牛の血統を学び、組み合わせを試す。
良質な肉質の和牛を求めて繁殖技術を極める!

和牛の見方や血統を勉強中! 目的が明確だから難しくても面白い

和牛の繁殖って、代理母のホルスタインに和牛の受精卵を移植(ET)することで、多くの子牛が誕生します。こうした繁殖技術があることさえ知らずに入社したんですが、6年経った今では、繁殖和牛の選定を任されています。残すか出荷に回すかは、体の大きさや血統で判断するため、和牛の見方や血統を勉強して知識を深めているところです。「どの血統が良いか」「この組み合わせだと肉質がどうか」と考えることが楽しくて仕方ありません。最近では、場長が「この牛に人工授精(AI)するけど、どの種を付ける?」って意見を聞いてくれるのでやりがいも十分。人工授精の後は、繁殖和牛から受精卵を回収します。かん流液1リットルを子宮に入れて、洗い出した液体の中にある受精卵を顕微鏡下で探すんですが、この作業がすごく難しいんです。未受精卵や成長が止まっている卵の判別はさらに輪をかけて難しい。でもこれができるようになったら“カッコいいな”って思うんです。だから受精卵移植も人工授精も極めたいと思っています。

牧場業務のマニュアルを作成。手順が見てわかる動画も好評です!

牧場業務を教える際に、誰でも同じレベルの内容が教えられるように、仕事を標準化したマニュアルを作りました。搾乳作業であれば、①牛を入れる②プレデッピング③タオルで拭く④ミルカーを付ける⑤ポストデッピング⑥牛を解放する、と決められた順序に従って作業手順を説明。わかりやすさを重視するために、写真をメインにして注意事項は箇条書きにしました。ほかにも、「子牛にこんな症状が出た時はこの抗生物質を使う」といった状態を見るポイント、治療方法、投与のタイミングなども記載したり、自分が学んだことをみんなにも知ってほしいと思って「こんな時どうする?」という内容を入れたり。さらに動画を作成して、スタッフなら誰でも見ることができるようにしています。このマニュアルを読んで、牧場経験がもう何年もあるかのように作業する新人も出てきてビックリするやら嬉しいやら! 新人や外国人スタッフに見てもらい、わかりにくい箇所や最近変更した部分の修正を加えて、完成品を目指していきたいです。