惣中光太郎

餌のブレンドは奥深い!
乳量乳質を保つカギは配合にあり

産地の特徴、葉や茎の割合、切る細かさなど、
乾燥草をどう配合するかで乳量乳質が変わります。

牛が大脱走! ゲージから出て牧場内のあちこちに!

大学で学んでいたのは昆虫分類学。甲虫の生態や形態の研究をしていましたが、いざ就職となると専門分野を生かせる企業は限られてしまうので、農業に近いところまで幅を広げて、就職サイトで検索していた時に見つけたのが吉浦牧場でした。自分がそれまで思っていた酪農のイメージとは違い、規模の大きさといい、自社のHPもしっかりとしたものがあることに驚いて、それで面接を受けることにしたんです。本場長からは「やる気があるならチャレンジしに来い!」と言ってもらえたので、お世話になろうと決心しました。つくし分場に配属になって、忘れもしない大事件といえば、搾乳で牛を移動させる時にゲージのカギのチェックを怠って、何頭も脱走させてしまったことです。あたふたしている間にどんどん脱走して、もとに戻すのに多大な時間と労力を要しました。「自分も同じ経験があるし、失敗は誰でもあることだから」と場長の優しい言葉に励まされ、緊急時の対処の仕方も先輩に教わったので、同じ失敗は二度としないように心がけています。

餌によって、人によって変わるから、餌のブレンドは奥深い

仕事で面白いと感じるのは、餌のブレンドによって乳量乳質が変わってくるところです。乾燥草にトウモロコシなどを混ぜる比率だけでなく、乾燥草の産地、葉が多いか・茎が多いか、さらに餌をやる時に乾燥草をどのくらいの細かさで切るかによっても違いが出ます。乳量が低くなったり、夏に脂肪の量が低くなったりした時に、餌をどう配合していくかは、ブレンドする人の知識や経験が大きく問われるんです。いろいろな配合のノウハウを先輩から教わりながら、乳量乳質のデータと照らし合わせて配合を考えていく仕事は奥が深く、とても勉強になっています。2年目になってからは、人工授精(種付け)の勉強も始めました。発情のタイミングはわずか1日しかありません。ですから牛の状態をよく見て、牛がマウントしたり舐めたりしている様子を見逃さないことが大事。発情した牛を見つけたら報告し、今は場長の横について人工授精する様子をしっかりと観察しています。指導を受けて経験を積み、受精の技術を高めていきたい。それがこれからの目標です。