吉浦牧場の酪農

牛を育てる酪農に
こだわって、こだわり続けて

フリーストールから始まった
新しい酪農経営にかける想いこそ、吉浦流酪農の原点。
自家育成にこだわり、乳量の多い牛へと改良を重ねながら
機械化やシステム化にもいち早く取り組み、
生産性と効率化に徹してきたことで
安定して高い利益を生む経営基盤を築いています。

搾乳・出荷

一頭一頭、乳房の張り具合やツヤなどから病気の有無をチェックした後、徹底した衛生管理のもとで搾乳を行っています。吉浦牧場のミルキングパーラーは、一列に16頭ずつ、合計32頭が入れる16頭ダブルのスタイル。搾乳は自動化しており、搾った乳はプレートクーラーシステムで急速冷蔵後、タンクに4℃で貯蔵。毎日、新鮮な生乳を出荷しています。

搾乳牛の数は、吉浦牧場と世羅つくし分場合わせて約1300頭。出荷量は合計年間1万3000トン(2014年度実績)、1日約36トンの生産量を誇ります。世羅つくし分場はスタートして10年目で、はやくも広島県の牛乳の約1割の生産量を占めるまでに成長しています。

job1

人工授精(種付け)

牛の血統にこだわって、種付け用の精液はアメリカから買い付けたものを使っています。それも、ホルスタインの血統ごとの乳量・乳脂量・乳たんぱく量などを評価しランク付けした指標のうち、上位50位以内にランクされるトップクラスのものだけ。酪農の世界も競走馬と同じで血統が重要だからです。質も量も確保できる牛を増やしていかなければ、「安全で品質のいい乳を安定して送り出す」という酪農家の使命を果たすことはできません。乳量の多い牛へと品種改良を重ねていくという挑戦はこの先も続きます。

job2

哺乳・子牛の出荷

ほぼ毎日、多くて4~5頭も生まれる子牛たち。人間が母牛の代わりになって、毎日ミルクを飲ませないといけない子牛は150頭にものぼります。成長が心配な子牛を集中してケアできるように、元気な子牛は自力でミルクが飲める自動哺乳システムを考案。耳についた電子チップで、子牛が一日に飲む量をコンピュータで管理し、子牛が自動哺乳機のところに行っても必要な量以上は出ない仕組みになっています。メスの子牛は牧場生まれの搾乳牛として育て、オスの子牛は6カ月たったら出荷します。

job3

乳牛の自家育成

作業効率のいいフリーストール牛舎をいち早く導入した吉浦牧場。その当時、業界の主流は一頭飼いだったため、牛を購入して増やそうとしても牛が牛舎に馴染むことができませんでした。時間がかかっても、牧場で子牛を生ませ育てることで増やしていこう──あえて選んだ回り道ですが、それが今の吉浦流酪農を生み出す結果になりました。乳量が多く、フリーストール牛舎に合った脚の強い牛を自家育成することに努めることで、生産性と効率化を実現し、酪農で高収益のあがる経営体質をつくり上げています。

job4